人気女性ファッション誌『FUDGE』が、2カ月連続で同じ女性を特集している。モデルはカテリーナ・チェルニアフスカ(通称:カティア)。ロシアに侵略され、戦火を逃れて来日したウクライナ人である。同じ事務所に所属する4人の女性も、3月末から4月にかけてウクライナから来日した。5人を支えるのは、わずか2人で運営する小さな事務所だ。彼女たちの日常と、父親代わりとなった事務所の奮闘ぶりを追った。(少女たちの日常と、父親代わりとなった事務所の奮闘ぶりも描かれています)
過酷な日々
4月、東京外国語大学は自治体や企業を対象としたウクライナ語講座を開催しました。約70名の受講者の中には、モデル事務所「What Management」の経営者もいた。 経営者は、受講の理由を聞かれ、「ありがとうございました」と答えた。
講座に参加した理由を尋ねると、「『ありがとう』『ごめんなさい』だけでなく、少しでも話せるようになれば、もっとコミュニケーションがとれるようになる」と答えてくれた。取材を申し込むと、萩本さんとモデル2人が応じてくれた。
私はウクライナから来ました。モデルをしています。学校にも通っています」。18歳のタチアナ・コマロワ(通称テイティ)は、少したどたどしいがしっかりとした発音で挨拶してくれた。もう1人は19歳のカティア。
2人にとって、来日前の日々は過酷なものだった。首都キエフに住んでいたテイティは、「今日が最後の夜になるかもしれない」という恐怖を抱きながら眠りについた。ポーランドに向かう途中、近くで銃撃戦が起きると森に隠れたこともあったという。インタビュー中、彼女は当時を思い出し、声を詰まらせた。
カーチャさんは、ウクライナの地下シェルターで過ごしていた。朝起きると、それが夢なのか現実なのかわからなくなった」という。同居していた母親を残し、国外に逃亡した。葛藤はあったが、美容師である母親の仕事がなくなり、家計を助けるためと考え、来日した。
▽赤字経営が続くが……。
WHATは昨年設立された。萩本さんともう一人の計3人で運営している。米国、ロシア、ウクライナ、イタリアなど10カ国以上に海外のモデル事務所とネットワークを持ち、人材を派遣し合っている。テイティさんらは、ロシア侵攻前から日本に来る話があったが、侵攻後、一気に話がまとまった。